訪日外国人100万 日本のファンをもっと(毎日)

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 日本を訪れる外国人が7月、単月で初めて100万人を突破した。前年同月比(%)で2けたの高い伸びが続いており、政府が目標とする「年間1000万人」の年内達成も、視野に入ってきた。

 近年、増加が特に目立つのがタイ、ベトナム、台湾などアジアからの訪日者である。経済発展に伴い海外旅行を楽しむ人が増えていることが大きな要因だが、円安や訪日者を増やすための官民あげた取り組みも奏功しているようだ。
 「年間1000万人」を目標に掲げた10年前の訪日外国人数は500万人程度だった。それからすれば大きな進歩である。ただ、世界的に見るとまだ多いとはいえない。2010年の統計によれば、訪れる外国人旅行者数で世界一のフランスは7680万人、米国に次ぐ3位の中国も5500万人を超えている。年間1000万人超の国・地域は、マレーシア、タイなどを含め22もあった。
 裏を返せば、日本にも外国人旅行者をもっと増やす余地があるということだ。訪日者の増加は、人口減少で伸び悩む国内の消費にプラスとなるが、多くの外国人に日本を知ってもらい、ファンになってもらう利益は、経済的なものにとどまらない。初めての訪日者、そしてリピーターを増やす努力や工夫を重ねたい。
 政府は7月から、タイ、マレーシアからの観光客に対しビザ取得を免除するなど、東南アジア諸国5カ国へのビザ要件を緩和した。さらに緩和の対象を広げる必要があろう。
 外国人旅行者には地方の多様な魅力も知ってもらいたい。実際、北海道などへの関心が高まっているようだが、不十分な受け入れ態勢によってせっかくの需要を取りこぼすようではもったいない。余力のある地方空港を国際線用に活用するため、入国管理などの整備を急いでほしい。
 海外の銀行口座から直接円建てで引き出せる現金自動受払機(ATM)を増やしたり、外国語の表示や案内を充実させたりと、やるべきことはまだたくさんある。
 歴史ある神社仏閣や世界遺産でなくても、海外の人たちが喜んでくれるものは意外と多い。例えば、米タイム誌は「東京観光トップ10」の一つに、渋谷駅前のスクランブル交差点を挙げたことがある。「整然としたカオス」と珍しがっていた。こうした日常に潜む“売り物”を発掘し、ソーシャルメディアなども駆使して、おもしろく発信していきたい。
 外国人旅行者の誘致では、観光地間や隣国との争奪戦といった考えに陥りがちである。しかし、連携を通じてともに付加価値を高めることも可能だろう。新しい発想で臨めば、可能性は無限に広がりそうだ。

[毎日新聞社 2013年8月26日(月)]
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